「大沢さん?加納です。夜、ごめんね?ちょっと良い?」
「加納さん!お久しぶりです!そうだ!先日はありがとうございました!加納さんが紹介してくれた同期さんから、お仕事頂きました!ありがとうございました!」
「わ〜、良かった〜。」
「上司が、大きくて良い会社とお取引が出来たって、とても喜んでます!先日、ご入金いただいたって経理が教えてくれました。本当にありがとうございました!」
「こちらこそですよ〜。彼・・・僕の同期友達が困っていたから、僕がちょろっと、大沢さんのいる会社ならあるかもよ!作ってくれると思うしって提案したんです〜。お役に立てて良かった〜。大沢さんなら、誠心誠意商売してくれるって、僕、信じてましたから〜。」
「今度、大阪に来たら、呼び出してください!おいしいとこ、夕飯、案内しますから!」
「うわ〜、ほんと?ありがとう〜!」
「加納さんの同期さんも、ほんと良い人だったので、また是非お会いしたいっす!」
「うん、伝えておきます!皆で大阪へ行く機会があったら、電話しますね!」
「待ってます!」
「あ、それで、ごめんね。用件なんですが、実は僕、結婚する事になって・・・。」
「おめでとうございます!同期さんから、ばっちり聞いてます!西岡さんと加納さんなら、最高に幸せになれる良い夫婦ですね!」
「・・・ありがとう〜。披露宴、ご招待できなくてごめんね・・・。僕のお友達枠で是非ご招待したいところなんですが・・・。」
「とんでもないっす!フラれた男がのこのこ顔なんか出したら迷惑ですって!俺は、こっちから、祝福してますから!」
「・・・ほんとに優しい良い男だよね・・・。ありがとう・・・。大沢さんの分まで、彼女を幸せにするから!誓います!」
「・・・いや・・・、あはは・・・、俺は大丈夫ですから!」
「それで、ごめんね・・・。実は野阪さんの友達が、動画っていうか映画っていうかショートストーリーを作って、披露宴で流してくれるって言うんだけど、なんか、オチがないかな?って思って。」
「・・・ほお〜・・・。」
「実話を元にしてるんだけど、ケンカした僕と彼女が、僕のバイトしてたお店に野阪さん達と食べに来て、ステキなカクテルを目の前にして仲直りしたっていう話なんですよ。」
「すごい!おしゃれですね!」
「それでね、思いっきり、見てる人達が引くようなケンカの原因のオチが欲しいんだって。え〜・・・、そんな事でケンカしてたの?っていうような・・・。」
「・・・もしかしたら、加納さんが本人役で出演ですか?西岡さんも本人役で・・・。」
「ううん、本人が演じるんじゃなくて、配役は僕が諒くんで、彼女はうりちゃんっていう、彼女の友達。これね、まゆこちゃんには内緒なんだよ。彼女、内容は全然知らないんだ。」
「どっきりですね。・・・そっか〜・・・、オチね〜・・・。原因・・・、皆が引くような・・・。」
「僕、うまく考え付かなくて、そうだ!大沢さんなら、何か持ってるんじゃないかな〜って閃いて、電話してみました〜。」
「・・・あれはどうだろう〜・・・。」
「あれ?出来れば、子どもっぽい感じが良いんだ〜。」
「ばっちしです!・・・中学の時、皆で階段で、果物の名前言って進むっていうのが一時流行って、日野さんか誰かが、トマトって言ったら、西岡さんが、トマトは果物じゃない!って言って・・・。バナナも遠足のおやつには入らない!とかって・・・。」
「うわ!!それ良いね、可愛い!!」